子供を褒めてはいけない?

例えば子供が100点取ってきた時、場合によっては褒めることが、逆効果になるということがあるそうです。

それは、子供が内発的な動機で勉強をはじめ、その努力が実った結果、「褒められる」という報酬を得てしまうことで、「褒められる」ことが目的になってしまい、そのうち、褒められないと頑張らなくなってしまう、ということらしいです。

これをアンダーマイニング効果といいます。

アンダーマイニング効果

アンダーマイニング効果に関しては、検索をすると色々と詳しい説明がネットにいっぱいありますが、個人的には下記の記事がとてもわかり易くておすすめです。

モチベーションを下げる罠、「アンダーマイニング効果」にご注意。

その中で引用されている例え話がわかりやすくて秀逸です。

ある老人が、隣の空き地で、放課後に子供たちが毎日野球をするので、騒がしくて困っていました。

そこで老人は実に巧妙な計画を思いつきました。ある日、子供たちにこう言いました。

「君たちの野球を見るのがとても楽しくていつも家からみているんだよ、これからここで毎日野球をやってくれたら、100円あげよう」

遊びにきたのにお金がもらえるということで、子供たちはびっくりしましたが、その後一週間、老人は毎日100円をあげました。

翌週老人は「すまんがお金に余裕がなくなってきてね。これからは毎日50円にするけど、それでいいかね」といいました。

子供たちの一部はしぶしぶでしたが、また翌週も毎日、野球をしにきて50円をもらって帰りました。翌週、老人は「すまんが、今日からは10円にさせてもらうよ。お金がなくなってきたんだ」といいました。

もともとそこで遊ぶのが目的だった子供たちは、まあしょうがないかと思いその後も野球をしにきました。数日後、老人は「悪いが、今日からもうお金はないよ、ついにあげるお金がなくなってしまったんだ」と告げました。

すると、子供たちは、怒って文句を言い出しました。

「冗談じゃないよ、ぼくたちがタダで遊んでやるとおもっているの?もうきてやらないよ」。 それ以降、子供たちは二度と隣で野球をしなくなりました。 老人は1000円ちょっとで、騒々しい子供たちを追い出すことができたわけです。

こういった心の動きを、心理学では「認知的不協和」と呼ぶそうなのですが、さて、子供を褒めることが、なぜ上記のような「認知的不協和」を産んでしまうのでしょうか。

 

「100点取れて、エライね!」がダメな理由

という記事においては

子供のやる気にとっても、「褒める」ことは確かに大切です。

たとえば小学校低学年の九九を覚えるような段階では、「親が褒めてくれる」から勉強を頑張り、結果も出ます。これが高学年になると、心理的には発達し自我が芽生え、将来の夢もできる。「医者になるため」「○○中学に合格するため」「○○クンに負けたくない」などと、目標のために努力するようになるのです。

親は、褒めてやる気にさせるステージから、興味や目標のために自分で努力するステージに、スムーズに移行させることが大切です。

注意していただきたいことは、褒めることが逆効果になるケースさえあることです。たとえば、お絵かきが大好きで自発的に描いている子供に、「あら~お絵かき上手ね」と声をかける大人は少なくありませんが、実はこれって最悪の声かけです。

周囲から何度も褒められて快い思いをするうちに、絵を描くことが大好きだったはずが、褒められたくて描いているのだと認識してしまう。これを心理学用語で、「認知的不協和」といいます。すると絵を描くことへの興味を急速に失ってしまう。子供が積極的に取り組んでいることに関しては褒めてはいけないのです。

とあり、記事の中では、東大生の親はあまり子供を褒めることはないそうです、と続けています。

あまり褒めないから自発的に勉強するようになるのか、もともと自発的に勉強するような子を見て褒めないよう注意しているのか、その辺はわかりませんが、確かに一つの要因にはなり得るとは思います。

とはいえ、自発的に勉強する子供というのは、果たしてどれだけいるのだろうか、という部分も気になります。

多分に家庭環境や親の教育方針、普段の振る舞いなどが影響しているのだとは思いますが…。

大人になるに従って「学ぶ」ということを理解していきます。辛いこと、つまらないことだけではなくて、知識を得ていくことの面白さみたいなものがあるということもわかってきたりします。

ただ、私なんかは、子供の頃、あんまり勉強が楽しいとは思いませんでした。(だから東大にも入れなかったのですが)

 

子供も親も成長します。それぞれの成長の度合いによっては褒めるという意味も変わってくるのだと思います。

それぞれ段階があって、多分下記のような感じになるのではないかと思うのです。

  • 自発的に勉強が出来るようになるまでは、褒めまくることが良い効果を生みそう
  • その次に、「学ぶこ」というのは、辛いことではなくて、「楽しいこと」なのだという気づきがある
  • そして最後に、自発的に勉強するようになったら、見守るモードにする

そうやって、子供の状況にあわせて、親の意識・行動も変えていかないといけないのだと思います。

先の記事からもう一度引用しますが

親は、褒めてやる気にさせるステージから、興味や目標のために自分で努力するステージに、スムーズに移行させることが大切です。

これがとても難しいのですが、同時にとても大事なことなのだと思います。

そして、「『学ぶ』ということは楽しい事なのだ」ということを、子供も、そして、親もしっかり認識することなのだと思います。

「学びたい」というその源泉を掘り起こすことが重要な気がします