「自分に合った学習スタイル」という迷信

「自分に合った学習スタイル」というのが時々話題になります。

VARKが特に有名です。

これは何かを学習・理解していくにあたり、目で見ることの方が理解し易かったり、耳で聞くほうが理解が進みやすかったりと、自分にとって理解のしやすいチャネルみたいなものを自分で認識し、その得意なスタイルに合わせて学習をしていこう、というもので、それがここでいう「学習スタイル」になります。

一般的に普及している考え方なのですが、これ、科学的にはあまり効果は期待できない、という考えがここ数年で確立されてきたようです。

学校や塾の先生が提唱する学習方法、科学的にはまったく意味がないことが判明

という記事においては

この分野の専門家によれば、異なる学習方法によって成績に影響が出るという科学的証拠は乏しいそうだ。

と、言われています。

そんなわけで、学習スタイルと、学習についてちょっと考えてみました。

・学習スタイルとは

・自分にあった学習スタイルは迷信

・学習に効果的な方法はある

学習スタイルとは

そもそも学習スタイルとはどういうことを指すのでしょうか。

「子どもにはそれぞれに合った学習スタイルがある」という誤解が世界的に広まっている

フレミング氏は生徒が他者から情報を提示される時、どのような方法を好むのかという点にスポットを当てて、16の質問から構成されるアンケートを作りました。「VARK(画像的・聴覚的・読字的・運動的)」テストと呼ばれるこのアンケートは、「人に道順を尋ねられたとき、口で説明されるのが好きですか?それとも地図を描いてもらうのが好きですか?」という風に、生徒がどのような情報提示方法を好むのかについて測定を行うものでした。

この、どのような情報提示方法を好むのか、という聞き取りの結果が、後々

「VARKによって生徒に適した学習スタイルが判別できる」というコンセプトが一緒に広まってしまった

という広がりを見せてしまったもののようです。

VARK

VARKとは画像的 – Visual・聴覚的 – Aural・読字的 – Reading /Writing・運動的 – Kinesthetic のそれぞれの頭文字を取ったもので、どのような情報の取得方法を好むか、を分けたものになります。

VARKの紹介

にて、実際に自分の学習スタイルを知ることが出来るので、興味のある方はやってみると良いと思います。

「自分にあった学習スタイル」は迷信

このVARKは世界中の教師、塾講師などが有用であると信じて来ていると言われていて、

2014年には世界各国の教師の内90%以上が「学習スタイルを信じている」と回答している

(学校や塾の先生が提唱する学習方法、科学的にはまったく意味がないことが判明)

と、教育者としてはもはや一般常識に近いものだったようです。

ただ、結論としては

自分自身の学習スタイルについて調べてみること自体に悪影響はありませんが、学習スタイルに応じた学習方法を採用しても何もメリットはありません。誰もがさまざまな思考のツールボックスを持っているのに、どのツールが最もよいかを探す必要があるでしょうか

(「子どもにはそれぞれに合った学習スタイルがある」という誤解が世界的に広まっている)

ということのようで、学習に対して効果が期待できるような特別な「学習スタイル」がある、というのは迷信だということです。

もちろん、情報のとり方の癖みたいなものがあることは紛れもない事実ですが、読書を好む人がいれば、テレビを好む人もいるというくらいの違いでしかありません。

これを「学習効果」というくくりで見てしまえば、その効果はあまり感じられないのかもしれませんが、能動的に何かを学習しようとする時、どういったスタイルで取りに行こうかと考えるのは無駄ではないと思います。

自分が好きなやり方、自分で慣れていると思う方法をベースに、そこから、初めて学習効果を上げるためのツールを探し出せばよいのだと思います。

チャネルを合わせただけで学習効率があがる、などというのは、なるほど確かに「迷信」なのかもしれませんが。

学習に効果的な方法はある

じゃあ、結局の所、効果的な学習方法は無いのか、と言われれば無いわけでもなく。

全体としては、各自の学習スタイルにかかわらず、講義ノートを見るのが最も効果的だった。また単語帳はそこまで有効ではなかった。

(「子どもにはそれぞれに合った学習スタイルがある」という誤解が世界的に広まっている)

一般的に言われているように、ノートに整理したり、予習・復習をしたりという、当たり前の勉強方法が実は最も効果的である、とも言われています。

例えば、記憶も理解も、自分の興味にひも付きやすいという脳の特性があります。

自分が面白いと思うことは、何度も読み返したり、関連知識を得やすいために、記憶の定着が早く、またそれぞれ違った情報がお互いの情報を補強するため関連付けられ、更に学習効果を上げるとも言われています。

一言でいうと、「興味のあることには理解が早い」ということになります。

興味を持つ事自体が、前提としてある程度の知識が必要だったりもします。

こういった、何かに興味を持ち始めた時、自分以外からの積極的に理解しようとする姿勢、がそのままモチベーションに繋がったります。

どうやって興味を持つに至るか」という部分においては、それこそ前段のVARKのような、どのような情報の提示が好きですか?という自分の癖を知ることこそが、情報の摂取に有利に働くのではないかと思います。

まとめ

学習方法は画一化できるものではない」のひとことに、尽きるようです。

「問題は、人間が自分にぴったりの学習スタイルを突き止めることが非常に下手で、しかも学習法は無数に存在するということだ。

(「子どもにはそれぞれに合った学習スタイルがある」という誤解が世界的に広まっている)

と、書かれている通り、学習スタイルという、何かそれさえ守っていれば学習効果が高まるような、そういった魔法のようなものはないというのが、結論になりそうです。