世代を経るに従ってIQの平均値が上昇しているという現象が判明したそうです。
ニュージランドのオタゴ大学、ジェームズ・フリン教授が提唱したことから、フリン効果と呼ばれています。
簡単に言うと、子供の方が大人よりもIQが高いということのようです。
フリン効果
IQテストを学校で受けたことがあるかと思います。
それによって算出されるスコアが、いわゆる「IQ」とか「知能指数」などと呼ばれるものになります。
このIQスコアが昔の人間に比べて上昇しているそうなのです。
世代を経て、祖父母の代のIQスコアよりも、孫の世代のIQスコアの方が高いらしいのですが、IQのスコアが高くなっているからといっても、若いほうが知能が高いと簡単には結論付けるのはまだまだ難しいようです。
ただ、少なくともスコアが上がっているのは間違い無いようです。
この記事がとてもわかりやすいですのですが、その中で、
では、この「IQの高さ」は具体的に、どういった部分に現れるのか。
フリン教授は、
・仮定を真剣に受け止めること
・分類すること
・論理を使って抽象概念を扱うこと
の3つの分野に、IQの高さが顕著に現れるとしている。
と、まとめられています。
そして、この3つの分野というのが、私にはとてもしっくりとくるものでした。
デジタルネイティブ
今高校生くらいの世代は、物心がつくころからPCやスマホやタブレットなどがあり、特別に学習をしなくてもはじめから使いこなしています。
一般的に「デジタルネイティブ」と言われていますね。
私からみると、彼らはまるで直感で分かっているかのように、初めて扱うスマホやタブレットをもスイスイと使いこなしています。
このデジタルデバイスというものは、多分に、抽象概念のかたまりとも言えるのではないだろうかと思うのです。
デジタルは基本、プログラムがあって動くものなのですが、
それはつまり、論理を使って抽象概念を扱い、情報を分類し、仮定を駆使するものであり、
そのデジタルこそが、「突出して現れているIQの高さ」という結果そのものなのではないだろうかと。
つまり、「知能が上がっている」というよりは、高い知能という定義が、そもそもデジタルをより適切に扱うためのものなのではないだろうか、と思うのです。
親と子供
こうやって考えていくと、PCやスマホを駆使し、ネットを経由して世界中の情報を扱っている子供たちに、我々親世代は始めから遅れをとっています。
そして、その差は広がりこそすれ、決して縮みません。
仮定や抽象概念を扱うということは、先の見えない未来について、現状を分析して論理的に想像していく、ということでもあるのですが、歳を取ると経験が邪魔をして、論理的な思考ができなくなっていきます。
なぜなら不確定な予測に対しては、自身の経験こそが最もわかりやすい判断基準だからです。
そして、経験は、普遍的なものでもなく、確実なものでもなく、実際はあやふやで不確かなものです。
こういったことを意識していくと、子供達が提案してくる様々な内容に関しても、自身の経験を元に判断して反射的にYES/NOを答えるのではなく、彼らだからこそ予測出来る未来を真摯に受け入れる義務が、我々にはあるのだろうと思います。
経験は、あやふやな未来を予測するための指標の一つにはなりますが、意思決定するための根拠としてはあまりにも狭すぎます。
可能性は子供の方が何十倍もあります。社会情勢も大きく動いています。
その中で我々は経験を元に考えるのではなく、子供の直感を受け入れ、慎重に検討していかないといけないのだろうなと思うのでした。