高校生にもなると、生活の優先度ってスマホを中心に動いているんじゃないだろうかと思うことが時々あります。
話しかけても返事がなかったり、夜遅くまでやってたり、そのせいで朝起きれなくて学校休みがちになったり。
本人は否定するけど、やっぱり、姿勢は悪くなってるし、視力は悪くなるし。
特に私自身も目が悪くて、そのせいで色々煩わしい思いをしてきたからこそ、せめて子供にはそんな面倒な思いをさせたくはないとおもうのだけど、なかなかそういうわけにもいかなかったりします。
子供にスマホを使わせる理由
そもそも、そんなに面倒ばかり起こすようなスマホを、なぜ子供に使わせているのかというと、「子供には子供なりの社会があって、そして彼らの社会性を保つためには『スマホ』という共通体験が必要なんだ」っていうのを、理解しているつもりだから、ではないでしょうか。
簡単に言ってしまえば、「みんな持ってるし、持ってないと仲間はずれにされる!」ってやつですね。
正直なところスマホを使うのは良いのです。というか、むしろこういった技術の最先端を積極的に使ってもらいたいと思ったりもします。
ただ、やはり中高生くらいというのは、本当にそればっかりになってしまいがちなのです。
彼らのスマホ利用の大部分を占めているのが、SNSなども含めた、友人同士のコミュニケーションなんだと思います。
学校という箱が社会性を身につける役割をも大きく持っているのは疑うべくもないのですが、彼らの日常の延長にはその繋がりが続いていて、思春期特有の共感や恋愛など、たぶん人生の中で最も濃い、他者への興味を抱く時期だと思うのです。
しかし、だからといって、スマホで何かをすることをすべての最優先にしてしまい、他のことに手がつかなくなるようでは良くないですし、そういった対人関係だけに溺れてしまうのも、それはそれで健全ではないと思うのです。
節度あるスマホ利用とは
節度をもって利用している人は
「節度ある利用」というものができれば理想なのですが、そんなもの、大人だって出来ない人がいるのに、それを初めから子供に期待するのは間違っているとも思うのです。
大人だから、とか、子供だから、とか、そうではなくて、結局のところ、自制できる人はできるし、出来ない人は大人でも出来ないわけで。
それでも大人の方がまだ自制できることが多いのは、大人の方が「責任」の伴う行動が多いから、というだけのことではないかと思います。
つまり生活費を稼がないといけなかったり、家事をこなさないといけなかったり、そういう、のんびりとスマホで遊んでいる暇がないという状況が往々にしてあるわけなのです。
結局のところ自制というよりは、生きていく上で、今やらないといけないこと、責任を果たさないといけないものが多ければ、のんびりスマホをやっている時間が無いというだけなのです。
仕事中にスマホでソシャゲをやっていたりLINEをやっていたり、というのは、普通は難しいですよね。
つまり、そもそもの環境がスマホの利用を制限しているのです。
子供に節度を促すには
ただ、親の庇護下にいる子供にとっては、スマホより優先度の高いものなんて基本無いんですよね。学校に行くこと含め。
会社にいかなければお金が無くて飢えて死んでしまうかもしれないけど、学校にいかなくても親が困るだけで子供本人にはたいした問題じゃないのです。
だから、子供に節度を促すのであれば、同じように物理的、環境的にスマホを使えない状況を用意するか、もしくは、「スマホをやっている場合じゃない」「スマホよりこっちのほうが先」と思えるような、重要度の高い状況を作り出したり、優先度が高くなるような興味を引き出す、ということが良いと思えます。
環境的にスマホの使えない状況というのは、例えば学校の授業中はスマホが使えないのは初めから制約としてあるので、本人たちも基本的には使いません。
同じように、家の中でも「食事中は絶対にスマホはだめ」というルールを決めれば、その時間はスマホを使わないわけです。当然ながら親も使いません。
お風呂に持ち込むな、トイレに持ち込むな。この辺も機械が壊れる、衛生面で良くないなど、明確な理由から徹底できそうです。
ただ、それ以外については、よほど明確なルールとしての線引が共有できていないと難しいと思うのです。
もちろん、親としての権限が強かったり、家庭内でのパワーバランス上可能であれば、家では使うな!みたいなことも可能だと思いますが、ただ、そういう抑えつけみたいなこともあまり望ましいとも思えません。
スマホとの接し方の一つの解決法として
将来の目標がはっきりしている人は、その夢を叶えるために今やらないといけないことが何なのか、ということをいつも意識しています。
そういう子であれば、もとより、誰に言われなくても自制が出来ていたりしますし、そもそも、スマホ利用の優先度がそこまで高くならないと思うのです。
しかしながら、自身の将来について、そこまで意識をしっかり持っている子はあまり多くないと思います。
ただ、たとえば、部活が大変であればそっちを優先するだろうし、大好きな趣味があれば趣味を優先するだろうし、そういった、自身が好きなことを親としても応援してあげることは、スマホ依存という問題を根本から解決することのできる一つの大きな要素にはなり得ると思います。
実のところ、具体的な将来の目標だったり、一生懸命打ち込んでいるようなものが無い場合、いつもスマホを気にしている人たちは、単に時間を潰すためになんとなくスマホを利用していたり、リプライ・返信・着信の通知がくるの待っていたりとか、そんな受動的なスマホ利用をしていたりすることが多いと言われています。
少なくとも、ただただ闇雲に「学校の勉強をしろ!宿題をしろ!」とスマホを取り上げるよりは、今一番興味のあることについて一緒に話をして、認めてあげることこそが効果的なのではないかと思います。