うちの子供は英語が好きではなく、英語に関しては本当に身を入れて勉強をしません。
受験を考えるには「英語」は非常に重要なポジションをしめていますし、将来の働き方を考える上でも、英語が得意になって欲しいという期待があります。
ただまあ、それは単に親の思惑であって、当の本人は全く気が進まないようで、自発的に参考書を開こうともしません。
そんなわけで、一緒に問題集を解いていくことにしました。
今回は、具体的な勉強の内容というよりは、一緒に勉強をすることで得た、別の経験についてちょっと書いてみようと思いました。
英検2級の問題集
来年度が受験なのですが、その前に来月6月に英検二級の試験があります。
本人は心底いやいやではあるようなのですが、「検の勉強は無駄にはならないから」と英検合格を目指させています。
英検の場合、受験英語や教科書の重要な項目の重点勉強というよりは、広範な英語力をみることを意図されているようなのです。
何か一つの構文を覚えていくよりは、とにかく正確に、そして量をこなすことだと考えました。
しかし、以前買った英検の問題集(過去問)を一緒に解いていくのですが、とにかくやる気を出さない。
自分から読もうとしないので、しょうがないので私が英文を読みながら、その都度わからないところがどこかを聞きながら、一文一文一緒に翻訳をしていく作業になりました。
長文読解
今回は特に、長文読解を集中してやろうと思い、一緒に読み進めていきました。
そうしていく中つまずくのが、まず単語、
親が仕事や普段で使っているようなカタカナ語も、学生だとはじめての言葉だったりもするようです。
これは逆に、私のほうが興味深く思いました。
「そういえば当たり前に使っているカタカナ語、これっていつ覚えてどこで使い始めたのだろう…」と。
たとえば「Advantage」も、「アドバンテージ」と聞けば何となく判るけど、正確な意味は知らなかった、とは子供の弁。
他にも、「creature(クリーチャー)」という単語自体も、知っていたとしても長文の内容によってはその意味がわからなくなったり、というのも、一緒に読み進めていって実感しました。
単純に翻訳すれば「生物」なのですが、医療系の話題で、細胞(germs)と並んで使われれば、それは「微生物」のようなものになったりするわけで、
もうそうなると、文章の意味が曖昧になったりしちゃうようなのです。
他にも、文章同士の接続詞がかなり頻繁に使われていて、そこの理解が追いついていないと全体の読解に影響することもわかりました。
「Although」「In the beginning」「Recently」「Moreover」等々
こういうところをしっかりおさえて、理解が進むと、英語の学習も楽しくなるのではないかと思うのですが・・・。
そこから膨らむ時事ネタ
さらに、「収入」を表す「Income」も始めて知った、と。
ベーシックインカムやらdinksやら、そういえば新聞では当たり前に出てるカタカナ語も高校生の英語の勉強では、初めて見る単語なのだという気付きがありました。
ちょうど何日か前に、フィンランドのベーシックインカムの試行の話、それが今年の12月に終わることを最近ニュースで知っていたので、そのあたりの話題も膨らまして時事ネタにまで発展させたりしました。
学校や塾だと、あまり関係のない話に広がるのは時間の問題や、授業の問題で、できないとは思うのですが、そこは家庭学習、時事ネタなら私自身も喋りたいことがいっぱいあったりしたので、社会科学習にもつながると良いなあと思いながら会話をしました。
少なくともこれで「Income」の意味は忘れないんじゃないかなあと思ったりします。
そして長文の内容そのもの
実際に長文問題に使われている英文そのものも結構興味深いものだったりします。
今回は「英検二級15年度3回」の問題を解いていたのですが、そこに「The Foldscope」というタイトルの文章があります。
Foldscopeという単語は私も聞いたことがなかったので、一緒に辞書で調べたのですが、そこにも載っていない。
「なら、造語かもしれないね、じゃあ読んでみよう」
と、これまた一緒に読み進めていきました。
内容としては、貧しく医療の設備の整っていない国において、病気特定に必要な顕微鏡は高価だし持ち運びも難しいので、一つ50¢で出来て持ち運びが簡単な紙を折って作る顕微鏡を発明した、というお話。その「Foldscope」が問題の解決に導くのではないだろうか、というものでした。
これは、内容的に私も、そして子供自身も興味を持ったらしく、そのままGoogleで検索してみると、まさしくそのFoldscopeをプレゼンしている動画があったのです。
一通り長文の問題を解き終わった一緒にその動画を見ました。
とても素晴らしい動画なので、ぜひ見てみてください。
得られた経験
始めは不平たらたらで、こちらとしても血管が切れそうなのを我慢しながらも、一緒に勉強をはじめました。
こういうのは大人より子供の方が顕著だとは思いますが、いったんやり始めればなんだかんだと集中します。
問題を解くサポートをする大人がいれば、子ども自身、問題がすらすらと解けていくことは楽しいと感じるようです。
一緒に解くことで、その問はどのような能力を測ろうとしているのかが何となくわかったり、その部分でどんな能力が足りていないのかをわかってあげられたり、そういったメタな視点で子供の勉強をみることが出来たのは、良い経験でした。
そして、それ以上に、単にその教科の勉強そのものよりも、そこから膨らんだ話題や知識を「一緒に得られた」ということは、親子の体験としてはとても重要なものだった気がしました。
「勉強しなさい!」と、放って置くよりも、10分でも良いから一緒に勉強することが、最終的には学力を上げる効率としては良いのだと思います。
そして、それ以上に、親自身にも得られる様々な知見や知識があるのだというのが、今回一緒に家庭学習をすることで改めて実感できました。